クリニック開業後の問題点・改善ポイント
医業経営において、前回ブログ「新規開業の規制」等、環境は年々厳しくなっている印象ですが、厚労省の2022年の医療施設動態調査・病院報告の概況によると、
7803件の無床診療所が開設される一方で、6618件の無床診療所が同年廃止されているのだとか、開設数の約85%が廃止されてることになります。
廃止の背景は色々あると思われますが、競争が激しく廃業されるクリニックも多数あると考えます。
今回は医業経営されるなかでの問題点・改善ポイントについてお話ししていきます。
※厚生労働省「令和4年(2022年)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」
ボトルネックの確認
医業経営で何がボトルネックになっているかを分析する必要があります。
最終的には、大半が「売上」「収益」となると思いますので、仮に売上についてお話しすると、まずは売上と事業計画と照らし合わせて、下回る要因を探ります。
診療単価と集患の設定に乖離がある等、そもそも事業計画に問題があれば、ベース修正変更する必要があります。
前例がない分、状況に応じて臨機応変に対応する必要がある訳ですが、一般的に開業後に黒字化するには1年半かかると言われていますので、資金調達がギリギリであれば、追加融資を得るためにどうするか。早期黒字化するにはどうするか等、ロジックツリーなどを使って、改善策を明確にして補填する必要があります。
診療圏調査では、集患が見込めたはずが想定より3割少ない。交通状況により車でのアクセスが悪かった。または駐車台数が少なく集患を取りこぼしている等
開業後、想定外の問題があった場合、これらは放置していても改善されないばかりか、経営が行き詰まってしまう要因となりますので、早急に対応しなければなりません。
物理的なもの以外では、人的要因で集患に制限が掛かったりと、事業経営されれば、大なり小なり必ず問題は生じますので、必ず対策を講じてください。
開業後に多い問題点としては、大きく3つ
・事業資金・運転資金の有効活用(初期投資額は適正?余裕のある事業計画で資金調達しているか?)
・集患対策(診療圏調査以外にも独自に地域特性や交通量調査、ご自身の目で確認・納得されましたか?ご自身で集患対策されていますか?)
・人員問題(スタッフ間のトラブルはないか?コミュニケーションはとれているか?)
まとめ
これまでの勤務医とは異なり、開業医は医業経営を行わなければなりません。
診療以外にやらなければならない業務が多く、これまで以上に多忙となり、なにより責任が増えます。
ある程度の役割分担が必要だと感じることでしょう。
規模にもよりますが、信頼のある事務責任者、看護主任等を配置して、事業計画が絵に描いた餅とならぬよう、現実的な組織運営をオススメします。
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