クリーンルームの仕組みと管理について
クリーンルーム(陽圧)とは?
空気中を漂う「浮遊微小粒子」や「浮遊微生物」これらは私たちが普段の生活を送る上ではそこまで気にする必要がありませんが、
例えば半導体集積回路では、浮遊微小粒子が隣接する回路間に落ち、ショートさせてしまう可能性があったり、細菌が舞う手術室では空気感染が考慮されず、患者や医師の安全が担保されません。
このように衛生基準をクリアする目的で作られるのがクリーンルームです。
クリーンルームの中は、高性能フィルタを通した空気で空間が満たされ「密閉されている」「清浄空気の供給する」「排気をする」を行うことで「浮遊微小粒子」や「浮遊微生物」を減らしています。
また外部より気圧が高く「陽圧」に保つことで空間管理されることが特徴となります。
陰圧室とは?
外部と内部の空気を隔離する施設では、クリーンルームのほかに「陰圧室」が挙げられます。
主に病院施設では、易感染者病室における感染・伝染病の治療や、細菌検査室におけるバイオハザードを防いだり、放射性物質を扱う際に必要となります。
上記、陽圧されたクリーンルームと高性能フィルタを通した空気を循環させる部分は同じですが、気圧を低くする陰圧室は「浮遊微小粒子」や「浮遊微生物」を外に出さないことを目的にしています。
クリーンルームの分類と仕組み
クリーンルームはインダストリアルクリーンルーム(ICR)とバイオロジカルクリーンルーム(BCR)のふたつに分類されます。
JIS規格(JIS Z 8122:2000)で定義されているインダストリアルクリーンルーム(ICR)は、半導体や精密機械の製造に利用されます。
主に空気中における浮遊微生物が管理された空間として定義されているバイオロジカルクリーンルーム(BCR)は、病院の手術室や医療品、食品の製造に使われます。
クリーンルームは、清浄の度合いによってレベルがあり、それぞれクラスごとに空気中の浮遊微小粒子や浮遊微生物が一定量以下になるように管理されます。
クリーンルームは天井または壁の一面にFFUを設ける「垂直層流方式」と、天井や壁の一部にFFUを設ける「乱流方式」と大きくふたつに分けられます。層流方式がより高い清浄度を実現できます。しかし設備費用や導入後のランニングコストも高くなります。
クリーンルームは「用途」「レベル」に応じて、気流方式、空調方式も数多く構成可能です。
クリーンルームの管理におけるクリーン度
規格はJISやISOがありますが、現在クラスについては国際統一規格であるISO規格に移行されています。
ISO規格では1m3当たりの空気中に0.1μm以上の粒子が基準になっておりISOクラス1~9までクラスを分類していますが、業界では以前より広く慣用されている米国連邦規格を使用する場合が多い状況です。
米国連邦規格では1立方フィート(約30.5cm四方)の空気中に含まれる0.5μm以上の大きさの粒子の数がいくつかで、クリーンルームのクラス分けをしています。
空気清浄度クラスによる測定粒径と上限濃度
産業別清浄度の目安
クリーンルームの維持管理
規模にもよりますが、クリーンルーム開設は多額の投資となることが多く、またこれを維持管理していく上でも相応の費用が掛かります。
日常点検、週間点検、月間点検、年間点検において、モニタリングに必要な専用機器を用いて、環境測定→数値化して可視化するのが 測定 です。
その数値を根拠に調整・管理していくことが クリーンルームの維持管理 となります。
ご相談はSMAへ
SMAでは、環境管理・測定サービスはもとより、清掃・消毒・WAXがけ、各種クリーンルームの設計施工をワンストップでご提案させていただいております。
外部の知識やアイデアなどの資源を活用し、そこで創出したイノベーションを理想のかたちにしていく、それがSMAが目指すトータルソリューションです。
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等のご質問の段階からで構いませんので、お気軽にお問合せください。