医療コンサルティングは病院ブランディングにつながるか?

 

 ここで申し上げる「病院」とはクリニックも含みますので、病床数の多い総合病院、中規模病院、無病床のクリニック、それぞれ経営課題や戦略は変わってきます。

いずれも、患者が病院を選んで受診する形式は同じであり、規模の大小かかわらずターゲット=患者に向けたブランディングは無視できません。

 開業支援・経営改善の依頼をうけた「医療コンサルティング」は、この「病院ブランディング」をどのようなプランで開業前後の支援につなげていくのか?

 今回この記事では「病院ブランディングの必要性」というテーマについて考えていきます。

病院にブランディングは必要?

 日本の医療制度(保険)は政府より均一な医療サービス体制が敷かれていますが

患者視点では「じゃ、どこの病院で受診しても同じ」と貴方はなりますか?

経営者視点から見ても「患者は近隣住民のみで、病気・ケガをしたら受診するもの」と考えますか??

 しかし病院におけるブランドは明確にあって、先端医療機器の設備がある、交通利便性が良い、駐車場がある、医師や看護師の応対等の人による評価であったり、患者は病院を選ぶ様々な指標があり、これにより行くか行かないかを決定するのです。

医療コンサルティングと病院ブランディング

 医療業界では開業、経営に関する相談が必要になったとき、医療コンサルティング会社やメインバンクへ相談するのが一般的かと思います。

前者の例でお話しすると、コンサルティング会社は開業支援から様々な経営改善策を用意していますが、依頼側のニーズとしては「経費削減」「病床・手術室の稼働率向上」と主に収益による相談が多いのではないでしょうか?

 全てではないと思いますが、一般的に医療コンサルティングのサービスと病院ブランディングはアプローチの仕方が変わるのだと考えます。

医療コンサルティングは限られた期間で結果を出さなければならないため、すべてのニーズに対し急ピッチで進行して成果を上げていきます。

これにより短期間で問題解決できたと喜ぶ経営者は多いでしょう。

 その一方で、過度な経費削減により医療従事者の不満が多くなったり、退職者が多く人材定着率が下がってしまったり、地域ディーラー(販売店)からの協力が得られなくなったなどの弊害があったりとデメリットも存在します。

 病院ブランディングとは、病院の問題点を洗い出し「この病院を受診したい」「この病院で働きたい」患者・医療従事者の両面の評価を上げていく中長期的な取り組みです。

 これにより集患が増え、病院経営が改善・構築できていくのだと考えます。

 青森県にある青森県立中央病院は地域住民から信頼を寄せられる県内最大規模の病院ですが、下記のように患者へのアンケート結果を公表しています。

こうした調査結果を公表する病院は患者目線でどのようにうつるでしょうか。

一県民の私には、少なくとも信用・信頼できる病院だと感じます。

結果的に、遠方にいる私の信用・信頼を勝ち得たこととなり、今まで取り込めなかった患者をも、取り込める可能性がでてくるわけです。

出典:2021年度患者満足度調査概要報告書 2022年4月 青森県立中央病院 「医療の質」総合管理センター TQM推進委員会 CSES部会より抜粋https://aomori-kenbyo.jp/wp-content/uploads/2022/05/naiyo_2021.pdf

 

まとめ

 経営改善、その目的は同じでも、医療コンサルティングが短期的なアプローチとすると、病院ブランディングは中長期的なアプローチなのだと言えます。

 病院経営も企業経営と同様に、取るべき経営戦略に何ら変わりはなく、人も企業も他社評価の元成り立っているのです。

医者や経営者が独自で新規開業、経営改善する際には、マーケティングや経営戦略は重要であり考察する必要があります。

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