医療機関での清浄度指標(ATP検査編)

ATP(アデノシン3リン酸)による汚染指標

ATPとは、筋肉の収縮など生命活動に必要不可欠な物質で、すべての動植物に備わっている生体エネルギーです。

ATPは、体液にも外皮にも存在するため、触った個所や人体内部で使用する医療器具等の洗浄レベルの測定、物理的にATPをふき取り検査することで得られる数値=可視化によって汚染指標を行います。

また、医療機関以外でも食品製造工場(食品衛生検査指針)、飲食店(HACCP)、ホテル等でも幅広く活用されている検査方法です。

ATP検査の特徴

ATP検査には、微生物検査(細菌、ウイルス、カビ等)と理化学検査(放射能、アレルゲン等)の2つに分類されます。

目的は、清浄度レベルの数値化、洗浄効果の比較・検証となります。

医療機関でのATP検査

皆さんご存じのように、医療機関での院内感染対策はとても重要であり、感染対策チームを中心にリユースされる医療機器の洗浄管理、手洗い消毒の手指衛生・環境衛生に取り組まれています。

その感染経路は「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」となります。

例えば、頻度の多い接触面を触れることで人から人へ接触感染、血管造影室の陽圧が不十分で手術中に空気感染など、

医療機関におけるATP検査は、血液、組織片、消化液、排泄物、汗、唾液、鼻水、手垢、微生物、これらはATPを含んでいるので拭取り検査をします。

検査で得られた結果をもとに、客観的指標を用いて清掃消毒をして評価をしていくことが重要となります。

そのATP検査とは目的がことなる検査として、A3法というものがございます。

血液が溶血すると間もなく、ATPは「ADP」「AMP」へと分解されてしまいますが、A3法はこの3種を測定可能なため、より精度の高い検査結果が得られるため、医療現場においてとても有効な方法だと考えます。

通常のATP検査(微生物検査)は、菌の種類・数を測定するのに対して、A3法は3種の汚れレベルを測定する検査となります。

まとめ

今回はATP検査の有用性についてお話ししました。

院内感染対策の一つとしてATP検査を実施している医療機関は多いですが、検査方法の選定次第では、結果は大きく変わってしまいます。

特性を理解することで、現在から将来に向けての予防対策を講ずることもできるので、課題解決の参考になれば幸いです。

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