病院機能評価における清浄度測定の重要性について

 

 病院機能評価とは、病院を客観的に評価する取り組みのことで、病院の品質を向上する目的で、日本医療機能評価機構が実施しています。一定の水準を満たすことで認定病院としてPRできるため、患者からの信頼を得るのに役立ちます。

今回は、医療機関における清浄度測定の重要性について考えていきます。

院内の環境管理は適切に出来ているか?

 病院機能評価 統合版評価項目V6.0 4.9.1.2機能に見合った施設・設備・機器・薬品などが整備され、適切に管理されているか(4.9手術室・麻酔機能から抜粋↓)

②手術室に見合った空調設備および空気清浄設備があり、保守点検されている。

 これは、清潔区域(手術室)における環境管理となり、室内にある物理的な手術台やその他医療機器、鉗子等の滅菌、これらは必ず実施され、医療機関では記録として適切に管理されています。

 それでは、その空間(空気)の環境管理はどうでしょうか?

「手術室の空調設備は保守点検していて、日々清掃・消毒しているので大丈夫!」

 と言われる医療機関もあるのですが、埃や細菌は目に見えないのです。

 空気清浄設備が正常に機能しているかの「保守点検」に加えて、測定値で可視化しないことには環境管理の指標はできません。

また、医療機関では、清浄度測定以外にも差圧、フィルタリーク、浮遊菌濃度測定も実施され、測定値によってはフィルタ交換するなどの環境維持が求められます。

 病院機能評価取得に向けての整備だけではなく、手術室におけるリスクマネジメントは、病院経営での収益に直結する重要なことと考える必要があるでしょう。

厚生労働省国立病院部経営指導基準

 また、病院機能評価では明記されていないのですが、HES-02-2022では、清浄度クラスを維持するうえでⅠⅡⅢⅤの一部区域ではフィルタ効率に基準があります。

 清潔区域だけでなく解剖室・細菌検査室等の汚染区域、分娩室やICU・陰圧個室の易感染者病室のような特殊エリアについても、患者はもとより、医療従事者の衛生管理にも配慮しなければならないため、SMAでは実施エリアとして推奨しています。

▼病院空調設備の設計・管理指針(HES-02-2022)

 

環境保全するうえでコストは把握しているか?

 清浄度測定に加えて、日常清掃・消毒以外に、定期清掃・消毒として天井・壁・ワックス塗布、空調清掃等、その後の付着細菌検査等の清潔管理業務を院内リソースで賄っている医療機関は多いと思います。

 院内リソースで、清浄度測定業務・清潔管理業務を環境保全するうえで「環境保全コスト」を正確に把握する必要があります。

その投資効果や費用対効果の効率化を図るうえで、医療従事者や職員のコスト(人件費)が年間どの程度掛かっているのか、

 職員であれば年間採用経費、医療従事者が兼務する場合は、残業時間で算出する等、実は多額の費用をかけて環境保全していた医療機関は少なくありません。

 清浄度測定業務、清潔管理業務、これらを一括アウトソーシングすることで、コスト削減はもとより、過重労働によるパフォーマンス低下も改善され、総合的に病院経営の効率化を図るうえでも有効であると考えられます。

ご相談はSMAへ

 SMAでは、環境管理・測定サービスはもとより、ゾーニング動線計画に配慮した新築・改修に伴う設計施工、各種クリーンルーム、空調機器導入をワンストップでご提案させていただいております。

 外部の知識やアイデアなどの資源を活用し、そこで創出したイノベーションを理想のかたちにしていく、それがSMAが目指すトータルソリューションです。

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等のご質問の段階からで構いませんので、お気軽にお問合せください。