診療科目別~開業ポイント<心療内科>

 クリニック開業では、それぞれ診療科目ごとに特有のお悩みがあるものですが、心療内科・精神科の開業の場合、おそらく集患対策が一番ご不安に思われるところではないでしょうか。

 医業経営に必要な損益分岐点となる集患数の確保まで苦労されると思いますので、開業前後の集患対策はとても重要となります。

 その一方で、設備投資が少なく、雇用面においても手技がないため看護師は原則必要がないことから、他診療科に比べ初期投資額・開業後のランニングコストを抑えことができるので、開業ハードルが低いのも特徴です。

 複雑化する社会からのニーズから、精神疾患の患者数が増えており、これら背景から心療内科での開業は増加傾向となっているようです。

 今回は、心療内科(精神科)の集患対策を中心にお話ししていきます。

<開業地の選定>

 通院しやすい開業地選びは他診療科と変わりませんが、患者さんのプライバシーに配慮して表通りから外れる、ビルテナントであれば2F以上を選ぶ等、患者さんが安心して通院できる環境をイメージする必要があります。

<院内設計・レイアウト>

 院内内装についても、患者さんのプライバシーに配慮した空間設計も重要です。

<オンライン診療の検討>

 最近では、オンライン診療が定着してきましたが、特に心療内科にとてもマッチした方法だと思いますので、WEB上でのSEO対策はもとより、地域に応じたリスティング広告等もおすすめします。

<関係機関との連携構築>

 仮に児童精神科に対応した場合には、児童相談所や学校等への連携体制構築は医業経営の安定化につながります。児童精神科に対応していない心療内科クリニックからの紹介体制の構築も有効となります。

 通院であれ、オンライン診療であれ、物理的な空間設計以外にも「接遇」も同じく重要だと考えます。

 患者さんの不安を取り除くための施策が最も有効な集患対策となりますので、これまで構築してきた集患対策も連携先の評価次第では、自院の信頼性を損なう要因となるため、連携先については調剤薬局含めて、入念にリサーチ・考え方などを双方で面談して確認することを心掛けてください。

 また、診療方針によりクリニックモールや商業施設内で開業する場合は、フロアの位置関係や患者視点での導線等を意識して検討する必要があり、他の開業地よりさらに患者プライバシーに配慮する必要があります。

その上で、開業地の利点を活かした「児童精神科」等を検討することは有効だと考えます。

 これはどの診療科にも言えますが、理念や診療方針を明確にすることが自院の基準となりますので、当事者だけの考え方で基準を構築するより、信頼できる第三者の俯瞰的な意見も聞きながら、これまでお話しした「集患対策」も併せてアップデートしていくこともよいかと思います。

 科目の特性的にも、内覧会はできないかもしれませんが、WEB対策、関係機関との連携を強化することで自院を知っていただき、そのうえで特色/強みをPRして差別化していくことが重要です。

 長期的な治療となることが多い診療科なので、まずは損益分岐点となる一定の集患数の確保に注力され安定経営を目指しましょう。

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