診療科目別~開業ポイント<皮膚科>

クリニック開業では、それぞれ診療科目ごとに特有のお悩みがあるものですが、皮膚科開業をご検討のドクターの多くは、保険診療はもとより自由診療をどの程度想定したらいいのか、重要ポイントの1つとして検討されるのではないでしょうか。
今回は皮膚科開業について、保険診療と自由診療についてお話ししていきます。
ポイント
まずは開業資金の内、主に設備費用を「保険診療」と「保険診療+自由診療」で比較してみると、一般的な皮膚科として、地域差で坪単価は変動しますが、40坪前後で4,400万円前後、これに自由診療を加えると、診療内容によって医療機器構成が変動するので1,000~2,000万円前後がプラスされるイメージです。
保険診療のみ | 保健診療+自由診療 | |
内装工事費(テナント想定) | 2,500前後(40坪) | 3,000万円前後(40坪) |
医療機器 | 1,200万前後 | 2,200万前後 |
その他設備 | 700万前後 | 1,000万前後 |
合計金額(概算) | 4,400万円前後 | 6,200万円前後 |
自由診療で美容関連を行う場合は、機器導入による費用増加に加えて、スペースの確保、更衣室やパウダールームが必要な場合もあり、冒頭お話しした保険診療と自由診療のバランス次第でも内容が大きく変わってくるので、注意が必要です。
勿論、開業資金だけが変わるわけではなく、保険診療と自由診療のバランス次第では、クリニックのコンセプトも変わりますし、そもそも開業地の選定基準も変わってきます。
経営戦略
まずは、保険診療を主体と考えた場合では、診療圏調査で評点の高い立地選定行い、保険診療単体で損益分岐点以上の集患が見込める収支計画とし、その上で、どの程度の自由診療が見込めるか一般的な診療圏調査に加えて、美容であれば女性をターゲットにした詳細なマーケティング(年齢層や富裕層の割合等)をする必要もあります。
地域需要と競合状況のリサーチについても、数字だけの情報ではなく、定性的な情報の収集を行い、競合クリニックとの差別化や棲み分けが可能であるか等、入念なリサーチを心掛けてください。
開業地とコンセプトが確定した後に、医療機器構成、内装設計等の計画を進めましょう。
今回は保険診療と自由診療にフォーカスしたのは、そのくらい優先順位が高く重要なポイントとなるからです。
皮膚科は他の診療科と比較して診療報酬の単価が低い傾向にありますので、保険診療に自由診療を加え、バランスを図っていくことは、医業経営においてとても有効であり、集患対策=収益向上が期待できると考えます。
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