2024年診療報酬改定について

2023年12月20日、診療報酬全体で0.12%のマイナス改定(診療報酬本体プラス0.88%、薬価マイナス1%)が正式合意されてから、2024年度の次期診療報酬改定に向けて、2024年2月14日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会にて、新たな点数、施設基準等の概要が公表されました。

また、従来の診療報酬改定は4月1日より施行でしたが、2024年度改定は6月1日からの施行となります。

詳細は3月上旬に告示されてからUPしますが、今回は基本認識、新設項目について、お話ししていきます。

令和6年2月14日10:00~ 中央社会保険医療協議会(第584回)議事次第

◎中央社会保険医療協議会(第551回)議事次第(125項)

診療報酬改定の基本方針と認識

①物価高騰・賃金上昇・経営状況・人材確保の必要性・患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応

②全世代型社会保障の実現、医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症への対応、医療を取り巻く課題への対応

③医療DXやイノベーション推進による質の高い医療の実現

④社会保障制度の安定性、持続可能性の確保、経済、財政との調和

◎厚生労働省:令和6年度診療報酬改定の基本方針

具体的な方向性

現在、増加する高齢者・救急等の医療需要が増加する一方で、医療従事者が不足しており、地域における救急医療機関の役割を明確にする必要性があり、それに伴う人材確保が急務であるといえます。

適切な急性期入院医療の提供、機能分化の観点からも転院搬送・救急医療に係る評価等が論点となっています。

また、「医療の質」と「安全」を担保するため、医療従事者が健康で働き続けることのできる環境整備も重要となります。

その一つとして、ICT・デジタルツールの活用による業務の効率化が推進されています。

2025年には団塊世代全員が75歳以上となり、地域包括ケアシステムの深化も懸念されていることから、医療機能の分化と強化が進められており、今後も継続して質の高い医療の提供がもとめられます。

新たな評価による、機能評価加算の見直しに加えて、新設される項目は以下となるようです。

・賃上げに向けた評価の新設

・医療DX推進体制整備加算の新設

・訪問看護医療DX情報活用加算の新設

・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料における情報通信機器を用いた診療に係る評価の新設

・情報通信機器を用いた通院精神療法に係る評価の新設

・情報通信機器を用いた歯科診療に係る評価の新設

・歯科遠隔連携診療料の新設

・主としてケアを担う看護補助者の評価の新設

・児童・思春期精神科入院医療管理料における不適切な養育等が疑われる小児患者に対する支援体制の評価の新設

・在宅における注射による麻薬の投与に係る評価の新設

・ICTを活用した遠隔死亡診断の補助に対する評価の新設

・在宅医療における薬学的管理に係る評価の新設

・新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料の新設

・小児緩和ケア診療加算の新設

・医療的ケア児(者)に対する入院前支援の評価の新設

・小児入院医療管理料における保育士・看護補助者の評価の新設

・精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する病棟の評価の新設

・精神科入退院支援加算の新設

・通院・在宅精神療法の見直し及び早期診療体制充実加算の新設

・児童思春期支援指導加算の新設

・心理支援加算の新設

・慢性腎臓病の透析予防指導管理の評価の新設

・プログラム医療機器についての評価療養の新設

◎総-1個別改定項目について http://chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000905284.pdf

まとめ

医業経営において、診療報酬改定=最重要事項となります。

2024年度介護報酬改定について<特養編> でもまとめましたが、新たな加算を得るためにも、人員体制やテクノロジーを活用した機器の導入等も必要な場合もございます。

今後も徐々に詳細情報が公開されていきますので、条文内容の読み違いや、解釈の違いのないように、万全の準備・態勢で取り組みましょう。

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