クリニック開業前に考えること

 これまでお勤めしていた「勤務医」、これからクリニック開業する「開業医」2者の大きな違いは、経営者になるということです。

これまで部長・医局長等のご経験でスタッフ管理した経験はあれども、自らの責任で経営に携わる経験者は少ないと思います。

開業前後でのタスクは膨大にございますが、これら全てを実施したからといって、成功が確約されるものではございません。

今回は、開業前後で注意したい項目をポイントにして、お話ししていきたいと思います。

集客ありきの事業において「場所の選定」は最重要事項となるでしょう。

候補地の入念なリサーチをしても、想定より集客できていない、交通渋滞の発生する道路沿いで入りずらい、集客が多すぎて駐車場が足りない等、様々なイレギュラーが生じます。

診療圏調査情報は数年前のデータを用いるので、あくまで参考程度に、独自に足を運ぶのは勿論のこと、他業種の動向、都市計画等、地域特性を理解したマーケティングが重要となります。

 クリニック開業に伴う大きな投資は「建物」「医療機器」となります。

過剰な設備投資には気を付けてください。

ポイント①での予定地の収益をシミュレーションして、設備・医療機器を選定する場合でも、オーバースペックなものを選定したり、CT導入したけど想定より稼働率が上がらない、場合によっては買換えが生じた。

よく聞く話です。。。

購入かリースかも重要となりますので、入念な事業計画のもと進行しましょう。

 規模にもよりますが、スタッフ管理には苦労されることと思います。

安易に考える先生方も多いですが、スタッフ不足・過剰、急な退職、その他人事トラブル、これら全て他責ではなく、経営者の責任で円滑に回していかなければなりません。

例えば、雇用において「履歴書」は重要となりますが、能力・経験のみで採用した数名のスタッフが関係構築できなく退職となったり、ご自身の想定では思うようにいかないことで苦労されることもあるでしょう。

苦労して改善できることなら良いのですが、クリニック経営に支障を及ぼすリスクだとお考えいただければ、軽視できないはずです。

ミスマッチのないように、能力・経験以外にも「バランス」も基準に入れることをオススメします。

 また、後のトラブルとならぬように、院内ルール(就業規則でも良いと思います)はとても重要となります。

オープンから終了までを現実的にシミュレーションして作成しましょう。

開業前の想定と違えば、随時更新していくなどの柔軟性も必要です。

全て一人で抱え込まず、適材適所、役割をもって組織運営されるべきですが、ここまで構築されるのには苦労されることと思います。

クリニック内部で難しければ、外部意見も聞きながら進めていくことも重要だと考えます。

 一人で開業準備をされる先生もいらっしゃると思いますが、大枠での構築はできても、詳細にマーケティングからオペレーションまで一人で行うと骨が折れますし、足らなかった分を開業後に補わなければならなかったりと、正直大変な作業となるでしょう。

他院を見学して参考にしたり、外部のコンサルタントを活用したり、色々な選択肢がございますので、ご検討されることをオススメいたします。

開業までの参考書のようなものもあるのですが、最終的にはご自身の「判断力」と「調整力」となりますので、経営者(管理者)としての資質を備えて、理想のクリニック開業につなげていただければと考えます。

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