日銀 利上げ(政策金利1%程度) 医業経営への影響

日銀は政策金利を31年ぶりに1%へ引き上げましたが、多額の初期投資や運転資金を金融機関から借入されるクリニック経営において「毎月の利払い増加」「今後の設備投資計画について」直接的に影響を与えます。
原油価格高騰を起点にインフレ圧力に対する利上げが目的だと考えますが、しかもこの利上げがゴールではなく、段階的に上がり1.5~2%と上昇するのではないかと言われていますので、最終的な到達金利を予測した計画を思案されている医療機関も多いのではないでしょうか。
今回は、利上げがもたらす医業経営への影響についてお話ししていきます。
医業経営への具体的な影響
・利息負担の増加: 開業時の設備資金や運転資金で変動金利を利用している場合、返済額が増加しキャッシュフローを圧迫します。
・設備投資のハードル上昇: 高額な医療機器の導入や病院・クリニックの改修、設備更新等においても、借入コストが上昇するため、ROIの厳格な判断が求められます。

利息負担の増加
開業時の設備資金や運転資金で変動金利を利用している場合、返済額が増加しキャッシュフローを圧迫します。

設備投資のハードル上昇
高額な医療機器の導入や病院・クリニックの改修、設備更新等においても、借入コストが上昇するため、ROIの厳格な判断が求められます。
また、金利上昇だけでなく、物価高騰により医療材料費や光熱費の上昇、スタッフの賃上げ圧力も重なり、経営の固定費が全体的に圧迫しますので、診療報酬改定で得られるプラスを実感できないばかりか、マイナスとなる場合もあり医業経営において前途多難な状況といえます。
借入金の特徴
医業経営での借入金は、一般的には「変動金利」の割合が高い傾向にあります。
長期の融資であっても、初期金利を抑えるために変動金利を選択する経営者が多いためです。
| 変動金利 | 固定金利 |
| 多くの医療機関が選択 | 返済額が一定で計画が立てやすい |
| 初期金利が低いメリット | 変動金利に比べて初期金利が高めに設定 |
| 金利上昇局面で返済額が即座に増えるリスク |
医療ローンの傾向
| 福祉医療機構(WAM)の融資 | 民間銀行の医療ローン |
| 病院や福祉施設が利用する公的融資 | クリニック(診療所)の開業・運転資金で多用 |
| 固定金利での調達が一般的 | 変動金利や短期固定金利の選択肢が主流 |
いまからできる対策

借入金の金利タイプの見直し
今後のさらなる金利上昇リスクに備え、現在変動金利で借り入れの医療ローンのうち、返済期間が長いものについては固定金利への借り換えを検討します。

キャッシュフローの精査
資金繰り表を綿密に作成し、金利上昇が毎月の返済額と利益にどれだけ影響するかをシミュレーションします。

補助金や助成金の積極的な活用
設備投資の負担を軽減するため、IT化や医療機器導入に対する国の補助金制度を積極的にリサーチし、資金計画に組み込みます。
数年前に某医療機関にて、月間コスト見直しを実施した経験がありますが、選定している医療機器・医材、その他消耗品、調達数量等も踏まえて再精査したところ、最終的に15%近く年間コストを圧縮したこ経験があります。
現場へのサンプリング・調整、正直大変ではありますが、分母(支出)が大きいほど15%削減のインパクトは絶大です。
さらに、月間コストの見直しの素晴らしいところは、翌月に即効果を実感できることです。
加えて、補助金や助成金は、医業経営にこそ手厚く実施されていますので、必ず検討した上で計画に落とし込んでいきましょう。
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